ヒマラヤ大震災基金

まるで戦場だった(ヒマラヤ大地震からの報告)


昨日、地震があったとは思えないほど長い二日間でした。地震発生時は4500M付近の崖が続くルートをトラバースしている最中で、しかも、吹雪で視界も限られている状況の中で、足元が流されていくなぁ~と。雪の状態がそうさせているのか、しかし、それからあの3・11を思い起こさせる激しい横揺れが始まりその時点でようやく「地震」と理解。その直後から周辺の山々から爆撃を受けたかのようなガラガラ、ドドド、グゥワォン、ドッカンなどといった爆発音が。

 巨大な岩が崩落しその連鎖で土砂崩れが起きたのか、氷河の崩壊による破壊音なのか、なにしろ視界がきかない吹雪の中でその爆音を聞かされ、音もこだまするわけですから、どこからどこに向かって襲いかかってくるのか分からない。どこに逃げればいいのかさえもも分からないまま、ジッと岩陰に身を隠すしかない。真っ白闇の雲の中から突如、僕の頭部ほど大きなの石の塊がいくつも空気をピュー切りながら飛んでくるのだ。まるで戦場のようだった。
 岩陰でジッと待機しながら「これだけの衝撃だ。エベレストの氷河は間違いなく崩壊しただろう。雪崩というよりも氷の塊にやられた人がいるんじゃないか!」とシェルパたちに叫んでいた。

 僕にもシェルパ達にもエベレストにいる仲間たちがいる。落石の恐怖に怯えながらシェルパの村に下っていきましたが、ポルツェ村からクムジュン村に到着。驚かされたのは村々の家がいくつも倒壊していた。
 クムジュンも壊滅的であった。お隣のクンデ村やナムチェバザール村は更に深刻との事。僕の知っていシェルパ達の家もみなそれぞれ被害を受けている。頭を抱え込むシェルパ達。エベレストに何度も登りコツコツ貯めて築き上げて建てた家が一瞬にして。
 余震も続き、今日の13時には最大級の余震が。僕が休憩中のロッジは音をたてて壁が崩壊。慌てて手表に飛び出した。それ以外にも多くの住宅がこの余震により崩れた。
この春のシーズンは例年よりはるかに雪が降り続けてた。上部では雪が積もりに積もり、3000M以下では連日の雨。そんな最悪なタイミングで巨大地震。上部では雪崩や氷河の崩壊による被害。それだけではない。標高が低ければ雨によって緩んだ斜面からの土砂崩れによる被害。この度の地震は実に様々な被害を引き起こした。

 あの中から潜り抜けクムジュン村まで下ってきましたが、変わり果てたクムジュン村の姿に心が引き裂かれるような。ガックリさせられた。もう登山どころではない。僕は明日からしばらくここクムジュンをベースに周辺の村々を訪ねて歩こうと思う。どれだけの被害がでてしまったのか。この目で確かめたい。
これからしばらく余震が続くでしょう。これまでにも散々揺さぶれれ続けてきたわけで、もう十分過ぎるほど氷河も土壌も緩みきっているはずである。ちょっとした揺れにも素直に反応してしまうだろう。しばらくは登山活動は考えられない。また、今はそんな状況でもない。それにしても、疲れました。本当に。
明日からは気持ちを切り替えて自身に与えられた役割に向かってやるべきことをやりたい。
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