姉妹山提携

エベレスト×富士山姉妹山提携とは


OLYMPUS DIGITAL CAMERA
姉妹山提携とは国際都市間の文化交流や親善を目的とした姉妹都市の山岳版のことで、2014年6月、当団体はNPO法人・富士山クラブとともに、ネパール山岳協会等との間で世界最高峰エベレストと日本最高峰富士山との姉妹山提携を行いました。このようにエベレストが姉妹山の提携を結ぶのは初めてのことになります。名実ともに富士山、エベレストは歴史的、文化的、精神的な両国のシンボルといえます。しかしながら、両山は共通した課題をかかえています。たとえばごみ問題やオーバーユース(過剰利用)です。姉妹山提携によりこれらの共通課題に取り組んでまいります。

今後は山岳の環境保全活動に主眼を置き、両山での環境保全活動に関する情報やノウハウを相互に活用し、環境保全に結びつく実践活動、教育活動などを行います。また、広く社会に向けて両山の文化的、自然的、歴史的重要性について相互理解、関心を呼び起こすための取り組みを実施します。












◆世界最高峰と日本最高峰とでタッグを組む
写真 2 (1)
2014年6月、富士山とエベレストの間に姉妹山提携が交わされました。国際都市間で文化交流や親善を目的として協定を結ぶ「姉妹都市」というのがありますが、その山岳版が「姉妹山」です。日本の最高峰・富士山と世界最高峰・エベレストは、ともにユネスコの世界遺産に登録され、名実ともに日本、ネパール両国を代表する山です。ナンバー1であるがゆえに多くの人が集中し、深刻なごみ問題や環境保全問題と直面しています。

かねてよりエベレスト、富士山両山で清掃活動をおこなってきた野口は、両山の抱える課題に共通性を感じ、そこに関わる人々が連携態勢をとることで、発信力も増し、よりアクションが起こしやすくなるのではないかと考えていました。そこでネパール山岳協会やNPO法人・富士山クラブなど両国の民間団体に呼びかけて協議を進めてきたところ、ついに締結にこぎつけることができたのです。

◆調印、記者会見、シンポジウムを開催
写真 (1)
2014年6月3日におこなわれた調印式には、ネパール側からはネパール山岳協会会長のアンツェリン・シェルパ氏、世界自然保護基金を経てHimalayan Climate Initiativeを設立したプラシャント・シン氏、日本側からはNPO法人・富士山クラブ理事長の奥島孝康氏、そしてNPO法人・セブンサミッツ持続社会機構(現ピーク・エイド)理事長の野口健が出席。

調印後、同メンバーが環境省の記者クラブで記者会見をおこないました。また同日、姉妹山提携事業の第一弾として、国際シンポジウム「エベレスト、富士山から考える環境問題」を開催。姉妹山提携関係団体の代表者のほか、登山家の今井通子氏、プロスキーヤーの三浦豪太氏、ミュージシャンの藤巻亮太氏をトークゲストに迎え、180名の参加者を得て初のイベントを盛況裡に終了しました。

2015年春には、エベレストと富士山で同時期に清掃をおこない、衛星中継でお互いの清掃活動の様子や成果を報告しあう予定です。これまでにも野口がエベレスト清掃をおこなっている現場と富士山清掃の現場をつなぐ試みは実施してきましたが、今回はネパールの人たちによる清掃の現場と初めてつなぐ新たな国際交流の機会となります。

◆未来のために人をつなぐ、山をつなぐ
今後は、定期的に交流を続けながら、両山での山岳環境保全活動に関する情報やノウハウを相互に活用し、環境保全に結びつく実践活動、教育活動などをおこないます。また、広く社会に向けて両山の文化的、自然的、歴史的重要性について相互理解、関心を呼び起こすための取り組みをおこなっていきます。

たとえば、富士山はトイレの問題が大きな課題になっていましたが、いまはほぼすべてバイオトイレに変わりました。まだ数が絶対的に足りないという問題はありますが、屎尿垂れ流しによる「白い川」問題は解決できました。

エベレスト街道にはたくさんの山小屋がありますが、富士山にあるような環境型トイレはありません。そこで、ネパールの山小屋関係者の人たちを日本に招き、富士山をはじめ日本で取り組んできたことを見てもらい、アドバイスをする。そういった人的交流もしていきたいところです。

そして他機関・団体との協力を促進して、この姉妹山提携により多くの賛同者を得るべく努力していくとともに、将来的には、姉妹山提携の輪を世界のほかの山にも広げ、「姉妹山ネットワーク」を築いていきたいと考えています。